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羽曳野市のAmon個別指導学院、塾長の阪倉です。
「うちの子が学校に行けなくなった。何があったんだろう?」
不登校と聞くと、多くの方がまず「いじめ」や「友だちとのトラブル」を想像されるのではないでしょうか。もちろん、そうしたケースもあります。しかし実際の調査を見ると、最も多いのは、はっきりとした理由が分からないケースです。今回は、不登校の原因と、保護者としてどう向き合えばよいかを考えてみます。
不登校は過去最多。決して珍しいことではない
文部科学省の調査によると、2024年度(令和6年度)に不登校だった小中学生は約35万4,000人で、全体の3.86%にのぼり、12年連続で増えて過去最多となりました。中学生に限ると6.79%、つまり1クラスに2人ほどいる計算です。
不登校は、特別な家庭や特別な子どもだけに起こることではありません。誰にでも起こりうることだと知っておくことが、まず大切です。
一番多い原因は「本人にも分からない」
同じ調査で、学校が不登校の子どもについて受けた相談の内容を見ると、多い順に次のようになっています。
| 順位 | 相談の内容 | 割合 |
|---|---|---|
| 1 | 学校生活に対してやる気が出ない | 30.1% |
| 2 | 生活リズムの不調 | 25.0% |
| 3 | 不安・抑うつ | 24.3% |
| 4 | 学業不振 | 15.6% |
上位に並ぶのは、「やる気が出ない」「生活リズムが乱れている」「なんとなく不安」といった、はっきりした出来事では説明しにくいものです。
子どもに「どうして行けないの?」と聞いても、「分からない」と返ってくることがよくあります。これは、言いたくないから隠しているとは限りません。本当に本人にも分からないのです。理由を問い詰めるほど、子どもは「答えられない自分はダメだ」と感じ、さらに追い詰められてしまいます。
体の不調が隠れていることも ― 起立性調節障害
「朝どうしても起きられない」「午前中は頭痛や腹痛、めまいがひどいのに、夕方になると元気になる」。このような様子があれば、起立性調節障害(OD)の可能性があります。
起立性調節障害は、自律神経のバランスがうまくとれず、立ち上がったときに血圧が下がって脳への血流が不足し、立ちくらみ、頭痛、だるさなどが起こる体の病気です。軽い症状も含めると、中学生の約10人に1人に見られるといわれ、決して珍しくありません。
症状が午前中に強く出るため、「怠けている」「やる気の問題だ」と誤解されやすいのが特徴です。しかし、病院で検査をすれば診断がつき、生活の工夫や治療で改善が期待できます。
また、意欲や睡眠のリズムには、脳の中で働く神経伝達物質(セロトニンなど)も関わっているといわれます。「気持ちの問題」に見える無気力の背景に、体や脳の働きの不調が隠れていることもあるのです。こうした判断は家庭ではできないため、専門家に相談することが大切です。
「教育を受けさせる義務」とは、無理やり行かせることではない
保護者には、子どもに教育を受けさせる義務があります(日本国憲法第26条)。そのため、「休ませていいのだろうか」「無理にでも行かせるべきでは」と悩む方も多いと思います。
しかし2016年に成立した「教育機会確保法」では、不登校の子どもにとって休養が必要な場合があることが明記されました。教育を受けさせる義務とは、「必ず学校の教室に座らせること」ではなく、「子どもが学べる環境を用意すること」と考えるのが今の流れです。
甘えなのか、本当につらいのか ― 見極めは難しい
「ただの甘えではないか」と感じる場面もあるでしょう。正直に言えば、その見極めはとても難しいものです。
確かに、少し背中を押すことで登校できるようになる子もいます。一方で、本当に限界を迎えている子を無理に登校させると、心の逃げ場がなくなってしまいます。その結果、適応障害を発症したり、ひきこもりが長期化・悪化したりすることもあるのです。
見極めのヒントとして、次のような様子があれば、無理をさせず専門家に相談することをおすすめします。
- 朝、体調不良(頭痛・腹痛・めまい)を訴えることが続いている
- 好きだったゲームや趣味にも関心を示さなくなった
- 夜眠れない、食欲が落ちたなど、生活に変化がある
- 学校の話題を極端に避ける、感情の起伏が激しくなった
解決のための具体的な一歩

1. 病院に相談する
まずは小児科や心療内科を受診してみましょう。起立性調節障害のように、体の病気として治療できるものが見つかることがあります。原因が分かるだけで、本人も保護者も気持ちが楽になることが少なくありません。
2. 学校以外の相談先・居場所を活用する
スクールカウンセラー、自治体の教育相談窓口、教育支援センター(適応指導教室)、フリースクールなど、学校以外にも相談先や居場所があります。
3. 通信制高校という選択肢を知る
中学生であれば、高校進学の選択肢として通信制高校を考えることもできます。自分のペースで学べ、毎日登校しなくても高校卒業資格が取れます。中学時代に不登校だった生徒が、通信制高校で生き生きと学び直し、大学へ進学する例もたくさんあります。
塾として伝えたいこと

学校に行けない時期があっても、人生が終わるわけではありません。大切なのは、学びをあきらめないこと、そして子どもが安心できる居場所を持てることです。
当塾でも、学校に通いづらいお子さまの学習相談をお受けしています。勉強の遅れが不安な方、進路に悩んでいる方は、どうぞ一人で抱え込まずにご相談ください。
参考文献
・文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
・独立行政法人労働者健康安全機構 岡山労災病院「起立性調節障害」
・高槻市教育委員会「不登校の現状と児童生徒への支援について」(教育機会確保法の趣旨)





